東 京 で、極上な日本の芸術・文化を堪能してきました
2010年3月3日
弥生三月・・・またまた青春18きっぷが始まりましたョ!。
今日は雛祭りです。早速休暇を取って、夢がかなう街・東京へ青春18きっぷを使って行ってきました。
東京へは普通列車でも、乗り継ぎがよければ3時間40分ほどで到着します。以前は静岡駅から高速直行バスや
<ぷらっとこだまプラン>を使って出かけましたが、青春18きっぷが使える期間はこれが一番格安です。
そんなわけで、今ではもっぱらこの切符を使って日帰りする機会が増えました。

とはいえ、静かな山の一人歩きが好きな私は 大都会の喧騒が苦手です。 
東京は超複雑な交通機関・・・! 一人で地下鉄にも乗れない<おのぼりさん>の私は、常に誰かさんに連れていってもらってました。
で、意外なことに、今回が初めての東京一人旅なんです。
歌舞伎座


新橋駅で下車して、
ブランドショップがいっぱいの銀座を歩き、
和光の交差点を右折して、少し歩くと
歌舞伎座が見えてきました。

この辺りは何度か歩いたことがありました
が、歌舞伎座入るのは今回が初めてです。

この歌舞伎座で歌舞伎見物できるのも
4月までで、『あと59日』と、カウントダウン
の看板も大きく出ています。

11時開演の昼の部を観劇してきました。
もう15年以上も前のこと・・・子育て真っ最中だった頃の夢が、≪いつかは歌舞伎を見たい≫と、
≪テレビで観て大きな感銘を受けた 長谷川等伯の松林図 を、いつかは自分の目で観たい≫でした。

そんな夢のかなう場所が東京なんですよね。 
最初の夢がかなったのが今年のお正月・・・新橋演舞場で新春歌舞伎を観てきました(*^。^*)。
A席だったので花道にも近く、海老さまや中村獅童さんの花道での見せ場もバッチリ堪能でき、それはそれは夢心地でした。
正面玄関を入ったロビ−       舞台 (開幕中は撮影禁止)     座席でお弁当タイム
今回はカウンドダウンの始まった歌舞伎座に、一度でいいから入ってみたいとインタ−ネット予約しました。
前回の新橋演舞場では大奮発して A席で楽しみましたが、そうそう贅沢していられない。
でも歌舞伎の雰囲気を楽しめるのならと、3階席にしました。ここで1万円の差があるんですよ。
今回も音声ガイドを借りていたので、お芝居の流れや配役などを聞くことができ、初心者でも芝居を楽しむことができます。

【加茂堤】は『菅原伝授手習鏡』の、後の全ての事件の発端となる一幕。
【楼門五三桐】では吉右衛門の石川五右衛門も絢爛豪華な桜の演出と、舞台がせり上がる意外性でうっとり。
   3階席でも全体が見渡せたので十分に楽しめたわけですが・・・
【女暫】が第一部の中で一番長い演目でした。荒事の『暫』を女方の玉三郎が演じました。
  登場シ−ンや最後の六方のシ−ンは花道なので、3階席からは観難かったというのがちょっと残念でした。
 
幕間には30分ほどの休憩があります。最初の幕間で買っておいたお弁当を(お茶がわりにもちろん缶ビ−ル)座席で食べました。
2回目の幕間では食事処で昼食を摂る人も多いようですが、歌舞伎座内部を散策してきましたよ。
壁には歌舞伎ならではの演出で著名な作品が多く展示してありました。
お土産処も大賑わいです。ここでしか買えない、銘菓や名物もあって、見ているだけでも楽しいものでした。

歌舞伎座を出て、山の手線に乗って上野に向かいました。
今回の都内での移動は山の手線だけだったので、交通費は青春18きっぷのみで、とっても得した感じ!
苦手な地下鉄にも 乗らずにすんだので、助かりました。
上野公園方面に歩き、向かった先は
東京国立博物館 平成館です。
昨年の春 阿修羅展の観た会場です。

今回は入り口に行列こそありませんでした
が、場内ははやり混雑していました。

2010年は長谷川等伯 没後400年に
あたり、特別展が東京(2/23〜3/22)と、
京都(4/10〜5/9)で開催されます。

能登七尾に生まれ、染色業を営む
長谷川家に養子入りして、日蓮宋寺院
に関わる仏画を多く描きました。
最初の展示は20代から30代前半の、
能登の絵仏師・長谷川信春の名乗って
いたころの作品でした。

没後400年 特別展 長谷川等伯 (東京国立博物館 平成館)

それ以外にも煌びやかな花鳥図が
いっぱい観られましたよ。

その技術と芸術性の高さにうっとりでした
。部分部分で筆使いの違いも絶妙で、
いつまでも眺めていたい、
すばらしいものでした。

一番の大作は等伯61歳の【大涅槃図】
でした。大きな展示室の高さに収まり
きれない たて10mXよこ6mもの 
ど迫力でした。

もちろん水墨画の屏風絵も見事でした。
年代の表記ないものが多かったけど、
60年代前後のものが多かったように
感じました。
国宝 「楓図壁貼付」部分 ※パンフレットの表面に印刷されているものです
国宝 「松林図屏風」  ※パンフレット裏面に印刷されているものです
それから水墨画の大作へと続きます。6曲1双の大きなものが ずらりと並び、見ごたえは圧巻でした。
筆使いや墨の濃淡だけのモノト−ンな空間の中に集約された 技術の高さと完成された芸術性は、
≪墨の魔術師≫といわれる所以でしょう。
一双の絵の中に豪快な筆感と墨の濃淡と細やかな描写、
余白に繊細な描写を入れることで、大きな世界を創造しているなと感じました。

最後は「松林図屏風」でした。
余白の中に感じる霧や無限の広がり・・・ やっと見ることができました。この感動はやはり本物に対峙しているからでしょうね。
国宝 「松林図屏風」  ※パンフレット裏面に印刷されているものです
満ち足りた いい時間を過ごした後は、再び山の手線に乗りました。
せっかく東京まで来たんだから、めいっぱい東京クオリティを堪能しましょうか!。
目黒駅から坂道を下っていくと目黒雅叙園があります。


目黒雅叙園
今日は3月3日の雛まつり (*^_^*)  ≪目黒雅叙園≫ の ≪百段雛まつり≫は今日までです。
≪目黒雅叙園≫は平成にリニュ−アルしましたが、かつての目黒雅叙園旧3号室が現存する唯一の木造建築で、
通称≪百段階段≫と呼ばれています。九十九段のけやきの階段の間に7つ部屋がつながっています。
百段雛まつりのパンフレットから (左 江戸後期 大型古今雛 酒田市 ・部屋は漁礁の間、  右 百段階段 )
百段階段のフロアには普段立ち入ることができないので、雛まつり開催中に間に合ってよかったです。
靴を脱ぐと、ここからは撮影禁止で、いよいよ百段階段につながっていきます。
しっとりと落ち着いたずっと続く階段の天井には、絵が描かれています。
百段雛まつりのパンフレットから (意匠を凝らした7つの部屋に展示されていました)
階段廊下の南側には豪華絢爛たる7つの部屋があり、それぞれ趣きが異なります。
天井や欄間には江戸文化の贅を受け継ぐ、昭和初期の色彩空間が描かれていました。
 まるで竜宮城のような部屋で、江戸時代から受け継がれた由緒ある雛人形を鑑賞するなんて♪♪
どこか違った時代にタイムスリップしたような夢のような時間でした。
平成の目黒雅叙園
さて、竜宮城の階段をおりて、平成の雅叙園へと戻ってきました。
1階のレストランに続くフロア−も、この通り、まばゆいばかりの装飾が施されています。一見の価値がありますよ。 
素敵な目黒雅叙園のHPもありました。 ←目黒雅叙園を知る のバナ−をクリックしてみてください
トイレの入り口 トイレの内部 トイレの天井
ここに来たら、是非トイレにも立ち寄ってみてください。贅沢な空間にびっくりします。

さて、以上3箇所の東京クオリティを堪能した後、品川駅へと向かいました。
駅で水分補給(生ビ−ル)と小腹を満たし、そろそろ東海道線で帰りましょう!。

折りしも通勤ラッシュの時間帯で、「こんなに混んで、イヤだなあ」と思っているうちに・・・あっという間に電車の中へと
詰め込まれました。次の駅では反対側のドアが開き、今度はあっという間に車外に追い出されてしまいました。
降りきるのを待っている時、隣の車両から降りた男性が数人、雑踏の中を走り抜けています。
   『痴漢だ〜!捕まえろ〜!!』 と大声を出しながら・・・。
「はあぁぁ〜やっぱ 東京はたまに来るからいいんだろうなぁ〜。」 と、ここでも東京ならではの風景に出会ったのでした。
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