高野山 町石道を歩く
2013年 3月 23日・24日 
夜行バスを使って九州に入ってから、2日間(3月21・22日)にわたり九州観光列車の旅を満喫。
22日の夜には宮崎港からカ−フェリ−に乗って、朝 大阪南港に着きました。 これから一泊二日で高野山に入ります。
3月23日
7:45 大阪南港に到着  9:24 南海難波駅から高野山行きの電車へ乗車  10:30 九度山駅 10:40 市街地歩き
宮崎カ−フェリ−もWILLER TRAVELでネット予約するほうが格安で、宮崎港までの路線バスと、
フェリ−は2段ベットの2等C寝台、大阪梅田までのバスがセットで8800円。 交通費と宿泊代と思えばお得だと思いません?
南海難波駅に向かい、高野山行きの電車に乗り、1時間ちょっと。九度山駅で降りました。
ここが高野山町石道(ちょういしみち)の出発駅です。九度山駅にあった高野山町石道のガイドマップを持ち、
まずは市街地歩きから・・・。駅を下っていくと交差点があり、さて?まずはどっちの方向に歩けばいいの・・・?。
コ−ス地図には歩くル−トだけが記されているので、街中の車道は判りにくく、地元の人に道を尋ねながら歩いていきました。
10:47  真田庵              10:52   慈尊院方面に左折
真田庵?・・・何で真田幸村ゆかりのお寺があるの・・・?。関が原の合戦で西軍に加わり敗れた真田昌幸・幸村親子が
幽居したのだそうです。九度山には真田幸村ゆかりの史跡が多いようです。

世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道・・・その一つが密教の高野山です。その高野山から熊野参詣道・小辺路が始まります。
そして、いくつもの峠を超えながら熊野本宮大社へと続きます。   ちょうど一年前に歩いたのが
(熊野古道 と 熊野三山) 果無峠を越えて熊野本宮大社
へと向かう道で、小辺路のラストにあたる部分でした。 
そんな縁から今回は小辺路の始まる高野山まで歩いてみたいと計画した次第です。

慈尊院方面に左折すると、道はわかり易くなりました。慈尊院は弘法大師の母が晩年に居住した場所で
この門をくぐると、高野山の表玄関です。  これからいよいよ町石道が始まります。
11:05 慈尊院                     11:10   この石段を登って町石道が始まる
上部に赤い鳥居の見える石段を登っていきます。この石段の途中に最初の町石(180町石)があったようです。

九度山の慈尊院から山上西側に立つ大門へ通じる大門口は、開山の折、空海が木製の卒塔婆を建てて
道しるべとした表参道にあたる道。鎌倉時代になると木の代わりに空海の生地讃岐産の花崗岩で五輪卒塔婆を建てたとのこと。
一町(約109m)ごとに建てられた石の卒塔婆は、山上の根本大塔を基点に180町石を数えます。
    11:12   丹生官省符神社      
丹生官省符神社で旅の安全を祈願して、いよいよ町石道へと歩みを進めました。
11:25  176町石             11:30  17?町石              11:35  17?町石
これから先は町石道の石の卒塔婆に導かれるように歩いていきます。
いずれも完全な形でありましたが、何番かが判りづらい町石もありました。

高野山の標高は800mほど、町石道は全長23kmのロングコ−スでコ−スタイムは7時間もかかるようです。
お昼前にやっとスタ−ト地点にたどり着いた感じですが、これからが本番!
11:43  紀の川が見える       12:00 無人販売で、みかんゲット      12:04  163町石
このあたりは狭い舗装の道を登っていきます。166町の先に展望台があり紀の川や町並みが見下ろせました。
このあたりは柿畑がいっぱい。そんな場所に無人販売の棚があり、みかんやネ−ブルなどが一袋100円です。
3月も後半ですが美味しそうなみかんだったので、一袋買ってみました。このみかんが道中で役に立つなんて・・・!。
12:44 144町石と一里塚が並んで建つ           13:00  六本杉
町石道が始まって約1時間30分、一里石もありました。やっと4km。一里石はこの後四里石まであるから、
やっと四分の一を歩いたことになります。道は緩やかな登り調子で、杉林になると、熊野古道を歩いているような感覚になります。
六本杉は町石道と丹生都比売神社を経由する道の分岐になります。見所の多い丹生都比売神社を経由すると、30分余分に
時間がかかるので、今の時間を考えて、寄り道しないで町石道を歩くことにしました。分岐を鋭角に左折して、歩みを進めます。
13:30 二ッ鳥居                           13:46  神田地蔵堂
先ほどの分岐から30分。ここ二ッ鳥居で両者の道が合流します。今まで休憩する余裕もありませんが、水分補給を兼ねて
先ほど買ったみかんが役に立ちました。ウエストポ−チに入れたみかんを歩きながらパクリ!。 甘くて美味しいみかんです。
道の右側にはゴルフ場があるようです。手入れされた芝生の方から声も聞こえてきます。
天気も上々の小春日和の休日、思い思いの時間を過ごしているんですね。
神田地蔵堂では軒下で休んでいるハイカ−もいましたが、私はランチタイムする時間もなく、先を急ぎます。

午後2時少し前に二里石を通過。やっと半分の道のりです。相変わらず休憩タイムもなしで、
道中、みかんを頬張りながら歩き続けました。 私って、みかんさえあれば2〜3日歩き続けられるかも!
14:37  80町石                 14:53  70町石              15:06  61町石
長く感じる町石も半分の90町石を過ぎると、後半は早〜く感じるようになりました。
1時間で約30町石分歩ける時間配分なんですね。 61町の先は車道を横断します。
15:13  矢立茶屋(60町)          宮崎名産 日向夏            15:25  袈裟掛石
車道を渡り、60町石にあるのが矢立茶屋。名物やきもちに気をそそられますが、すでに3時を過ぎ、あと2時間も歩くから
ここも通過。ここでザックから宮崎で買っておいた日向夏も取り出しました。これも道すがら食べて、ラストスパ−トです。
袈裟掛石は弘法大師が袈裟を掛けたと伝えられ、くぐると長生きするといわれる書いてあります。
狭い隙間にくぐれる自信がなかったので諦めましたが・・・(^_^;)
16:03    休憩所             16:10  34町石
夕方4時を過ぎましたが、まだ陽光が届き快適に歩けます。目指す高野山山上の入り口まではあと1時間くらいかかるでしょう。
16:23  鏡石            17:01             17:14  車道沿いにある標識
鏡石はどれが鏡石なんだろう? 道はずっと杉林の中です。時折車の音がして、すぐ近くに車道のガ−ドレ−ルが見える
ようになりました。  夕方5時の時報が聞こえましたが、まだ杉林の中に居ます。でもやっとゴ−ルが見えた感じ。
最後の登り坂を頑張って登りましょう。 車道沿いにある標識・・・。 車を止めて佇む観光客・・・。   感動の一瞬!
17:14  大門                       17:16  6町石
目の前に現れるのが巨大な山門、高野山山上の入り口、大門です。 
町石道を歩く醍醐味は一日歩いた末に、この大門をくぐることなんですよね〜\(^o^)/。

前回、高野山に来た時は、終点の駅からケ−ブルやバスに乗って高野山に入りました。
そして金剛峯寺や壇上伽藍を見てからこの大門を反対側から見たんです。だから順番が違うじゃん・・・って違和感があって、
次回は表参詣道(町石道)を歩いて、この大門をくぐりたいと願っていたから、この瞬間は感無量です。
ありがたく山門をくぐると、6町石がありました。
17:17  門前町を歩く                  17:24  1町石    高野山観光協会HP
大門をくぐると門前町が始まります。車の往来はありますが、夕方5時を過ぎてお店も店じまい。人もまばらです。
この車道沿いに町石があります。1町石は大伽藍の敷地内にありました。
高野山町石道のすべてを踏破しました。九度山駅を降り立って、ちょうど7時間でした。寺院はすでに閉門しています。
伽藍は明日ゆっくりとまわることにして、今日の宿坊に急ぎましょう。
17:40   持明院に泊まります            高野山に泊まる
観光協会を越え3〜4分ほど奥の院側に歩くと、やっと見つけました。 高野山には数多く(50くらい?)の宿坊があり、
楽天でネット予約したのが持明院。格式ある宿坊に泊まり、本格的な精進料理を味わうことも、すごく楽しみにしていました。 
チェックイン時刻を夕方5時30分で予約していたので、すぐに出迎えていただきました。
玄関先には高野山開創1200年のイメージキャラクター『こうやくん』もお出迎えです。
8畳の室内からは庭園が望めます。
寺院の内部は広く、廊下をくねくね曲がり 庭園を通って、お部屋に案内してくれました。
広縁付きの広い室内に一人でのんびりできるなんて幸せ!。宿坊という質素なイメ−ジとは違い、
客間は広いし、床の間には高野槙の置物もあり 部屋の窓からは手入れの行き届いた庭園が望めました。
18:30  精進料理に舌鼓・・・(^。^)y-.。o○
大理石のお風呂に入り、今日一日の疲れを癒した後は、待望の夕食です。本格的な精進料理を部屋に持ってきてくれます。 
自分の部屋ですので、心置きなく寛ぎながらいただけるのがうれしいですね。 朝、フェリ−の中で朝食を食べて以来、
日中は、みかんしか口にしていないから、まずは一口目のビ−ルが最高!。  「いっただっきま〜す!」 

高野山の胡麻豆腐は白胡麻だから白っぽい色、香りもコクも申し分なく美味。 大好物の生麩もあって嬉しい〜!。
豆腐のお鍋は、出汁の味が絶妙で最後まで飲み干してしまうほど。 天ぷらは旬のふきのとうもあって季節感がウレしいね〜。
高野豆腐は定番中の定番でしょう。この炊き合わせは素材ごとに丁寧に煮含まれていて、手間暇かけた出汁が素材の味を
いっそう引き立てていました。カラダが喜ぶ精進料理をゆっくりと楽しめました。ご馳走さまでした(^。^)y-.。o○。
3月24日
7:00  朝のお勤めに向かう              7:35  茶粥の朝食
朝は本堂で行われる 朝のお勤めに参加させていただきました。 薄暗い室内でしたが、だんだん目が慣れてきました。
照明は、ほとんどがロウソクのみでした。 広い堂内にたくさんのロウソクが灯り、厳粛な雰囲気です。
合掌・礼拝、ありがたく朝のお勤めを体験させていただきました。  部屋に戻ると朝食が用意されていました。
まぁぁ〜茶粥なんですね〜。 お茶の香りもほんのり・・・さらりとおなかに収まる優しいお味です。
これが呼び水となって、お櫃に入っていた白米もモリモリ食べちゃった。 具だくさんの飛竜頭がすっごく美味しくて感動!。
ほうれんそうの胡麻和えの胡麻の味も最高、 精進料理を心から楽しめた2日間でした。
9:00  壇上伽藍       (左)  根本大塔   (右) 金堂   高野山の歴史
今日はゆっくりと行動開始です。まずは大門方面に少し戻って、壇上伽藍や金剛峯寺をお参りさせていただきましょう。
平成27年4月2日〜5月21日の50日間、『高野山開創1200年記念大法会』を執り行うことになっています。
そのため壇上伽藍の金堂は新たに建設中でした。
根本大塔の立体曼荼羅は、前回の時はまだ、ま新しかったけど、年月がたって、いい感じの雰囲気になっていました。
9:15 総本山 金剛峯寺
金剛峯寺にもお参りしました。 最後に新別殿で参詣者のためにお茶とお菓子の接待があります。
ここではちょうど講話をお聞きすることができました。  東日本大震災で家族が被災された信者さんが、
絶望の末に生き甲斐を見つけて、今は充実した日々を過ごせるようになったというお話でした。 
朝の宿坊でのお勤め、ここでは有難い講話を聞けて、心身ともに御仏の真理に近づけたような気がします。
10:15  一の橋 奥之院入り口           苔むした供養塔が延々と立ち並ぶ       
それにしても、高野山は山全体がスピリチュアルな聖域です。高野山の懐の深さはこれから向かう奥之院まで延々と続きます。
宿坊と土産物屋が立ち並ぶ参道を歩き、一の橋を渡りました。杉の巨木の中を石畳の奥之院参道がずっと続いています。
参道の両側には杉の巨木に抱かれるように苔むした供養塔が延々と立ち並んでいます。その独特な雰囲気は悠久の歴史の
流れを感じます。皇室・貴族関係・各宗派の開祖、名だたる戦国武将の供養塔や墓碑が立ち並んでいます。
10:50  弘法大師の御廟へと続く
一の橋から約2kmの参道の先には弘法大師の御廟があります。弘法大師御廟は大師信仰の中心聖地です。
ただおひとり、入定信仰を持つ弘法大師空海は、今でもあらゆる人を救い続けていると信じられています。
大師さまを慕って、宗派の違いも、戦国時代の敵も味方も、あらゆる階級の人々も、分け隔てなく眠っておられるのですね。
12:15  女人堂 (不動坂口)           12:25 バス専用道路を左に分けて、不動坂コ−スを歩く 
さて、奥之院もゆっくり参拝し、はるばる高野山に登ってきた目的もほぼ達成することができました。
もう一日あれば高野山女人道も歩いてみたかったけど、そろそろ下山の時間です。お世話になった宿坊の前を再び通り過ぎて
おみやげに生の胡麻豆腐も買って、徳川家零台の前を通って女人堂まで歩きました。

高野山への入り口は7つあって、女人禁制が解かれる明治5年までは、山内に入れない女性のために参籠所が設けられ、
この中で一番大きかったのが不動坂口の女人堂です。 
だから女人道というのは高野七口といわれた7つの入り口をめぐり、周囲の山々を尾根沿いに回るコ−スです。

私はこの女人堂から不動坂コ−スを下り、極楽橋駅に向かう距離2,5km、約一時間のコ−スを歩きます。
12:35 標識に従って杉林に      12:37 ほんとにこの道でいいのかしら?      12:45  清不動堂
バス専用道路を左に分けて、不動坂と書かれた石畳風の道を下っていきます。石畳風の道は最近整備されたみたいで、
この道を下っていっても極楽橋駅に着くみたいですが、せっかくですので いにしえの不動坂を歩いてみましょう。
標識に従って杉林に入ったものの、倒木も多く道も釈然としなくて、ほんとにこの道でいいのかしら?と不安になる場面も・・・。
12:46 再び不動坂コ−スに入る   12:51        13:02 いろは坂
小さな橋を渡って再び不動坂コ−スに入り、つづら折りのいろは坂を下っていきました。この道は表参道の町石道とともに
高野二大参詣道として発展した京街道にあたる道。 昭和5年にケ−ブルが開通して以来は、人もまばらになったようです。
13:21  ちょうどケ−ブルカ−やってきました       13:25  朱塗りの橋を渡ってから南海極楽寺駅に向かう
終盤では高野山ケ−ブルをトンネルで横断します。ちょうどケ−ブルカ−がやってきました。
女人堂からバスで8分で高野山駅→高野山駅からはこのケ−ブルカ−で5分で極楽橋駅に到着します。
それだけの行程を歩いて下ったということですね。
朱塗りの橋を渡ってから南海極楽寺駅まではちょっと長く感じましたが、最後に階段を登って駅に着きました。

4泊4日の青春18きっぷも使ったプチ旅も、たくさんの初めての体験をしました。
後は大阪方面に出て、青春18きっぷを使って長い帰路の旅のみになりました。
最初の2日間は九州で観光列車を楽しみ、霧島で温泉に入り霊峰を仰ぎ見、霧島神社でパワ−をいただきました。
そして、てくてく歩いて高野山でも、2日間にわたりスピリチュアルで霊験あらたかな感動をいただきました。
前半  九州観光列車に乗って・・・は こちらから どうぞ
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