岩木山のミチノクコザクラ と 青森ひとり旅・・・
2011年7月29日・30日
一年前の夏、観光しながら東北の山々を巡った時、
やり残してしまった課題をリベンジしたかったことが今年の目標・・・。
でも北東北はさすがに遠い(ToT)/~~~  静岡空港から飛行機も飛んでいないし・・・
で、私は体力には自信アリ!  でも・・・金銭的な余裕はナシ (*^^)v・・・!  時間は作れば何とかなる・・・。
と、小刻みな夏休暇を何回も取得しながら、短い夏山シ−ズンを楽しみましょう!
そんなわけで・・・上記のキ−ワ−ドから、今回は上野から往復夜行バスで弘前まで向かうことにしました。
自宅最寄駅から東京都内までは青春18きっぷを使います。
夜行バスは快適性よりも格安さを重視して往復で1万円。
寝ている時間帯に移動できるので、宿泊費も節約できるし、朝着いたら 即、行動開始。 まるまる2日間の青森ひとり旅です。
7月29日  恐山
朝6時半前に弘前バスタ−ミナルに
着きました。

前日まで天気予報をチェックして、好天
予報だったのに、バスを降りたら・・・・
まさかの雨・・・。
小雨程度でしたが、こんな天気に山登り
する気にもなれないし・・・
もう一つの目的地である、白神山地の
暗門の滝ハイキングも出かける気に
もなりません。

さて?どうしたものか???と携帯の
インタ−ネットを使い、交通情報を色々
と検索。30分位悩み、
恐山に行ってみることにしました。
下北駅が 恐山の玄関口 三途の川にかかる太鼓橋
弘前駅からは(計画になかった)青春18きっぷを使って、下北半島まで大移動です。 下北駅が恐山の玄関口。
電車の到着時刻に合わせて路線バスがあり、バスに40分ほど揺られて太鼓橋の横を走り抜け、目的地に到着しました。
日本三大霊場 恐山
イタコの口寄せが行われる大祭典は7月20日から24日までの5日間でした。
大祭典が終わったばかりの恐山は、恐ろしいばかりの静寂に包まれていました。
石畳の道は地蔵堂(本堂)へと続きます。境内は硫黄臭が立ち込め、いかにも地獄の雰囲気です。
地獄のような景観が広がる 殺風景な景色の中のも植物が多かったのが意外でした!   
恐山は日本三大霊場の一つです。 あとの二つは、比叡山と高野山です。
比叡山も高野山も修行道場や参拝などの対象の趣きがあるのに、ここはまったく異なり、亡き人の冥福を祈るような霊場でした。
奥の院 不動明王 水子地蔵
恐山は862年、慈覚大師によって開山され、天台宗の修験道場として栄えました。
いたるところで風車がカラカラとまわり、真っ黒なカラスもいっぱいで、
実際 見たことや行ったことはないけど、地獄や浄土とはこのような所のような気がしました。
延命地蔵尊 五智如来 温泉棟と温泉
賽の河原や極楽ヶ浜、地獄めぐりと霊場内をぐるりとひとまわりし、
最後は温泉棟へ・・・
いたる所で硫黄がブクブク沸いているので、当然温泉もあるものです。
男湯は2箇所、女湯が1箇所あり、バスの発車時間までは まだ充分余裕があるので、ここで温泉タイムとしました。
硫黄臭とちょっと酸っぱい味のする
源泉かけ流しの温泉を満喫し、
地獄から極楽に昇格しました。

場外の休憩所で、青森駅で買っておいた
駅弁を広げて、ここで精進落とし!。

それからバスに揺られて下北駅に
着きました。
次に来る電車はリゾ−ト電車でした。
全席指定なので別に510円かかりました
が、青春18きっぷで乗れるので、ちょっと
ゴ−ジャスな気分を味わえます。

新潟方面の集中豪雨の影響で日本海側
を走る急行電車などは運転中止と
なっていました。
地元弁当 大人の休日津軽物語 ≪リゾ−ト あすなろ≫に乗れました
≪リゾ−ト あすなろ≫に乗って、
つかの間のリゾ−ト気分を味わい、青森駅
に着いたのは夕方、5時半でした。

ここで途中下車、
青森駅近くにオ−プンした 
ねぶたの家 ワ・ラッセ でねぶた見学
をすることにしました。

一年前、もう一箇所の展示場で 
青森ねぶたを初めて見て大感動したので、
再び見れてうれしいです。

青森県にはその土地土地で色々な
ねぶたがありますが、その中でも360度
立体系のこの巨大ねぶたはとても
迫力満点です。
青森 ねぶたの家 ワ・ラッセ
いつの日か、お祭りの期間に来て、実際ハネトが踊る臨場感ある≪青森ねぶた祭り≫を見てみたいものです。
この時期は近隣のホテルの予約がまったく取れないんだけど、今回のように夜行バスを使えば、夢じゃないと思いましたョ!。 
でも体力的には とってもハ−ドでしょうネ・・・。

ワ・ラッセのお隣には、名産品が買える A-FACTORY という新しいショップがあり、ここに寄ってから、
まだ明るい6時過半ごろ、青春18きっぷで弘前に向かいました。
夕方7時過ぎ、
弘前駅前のBHにチェックイン!。

そして夜8時頃、郷土料理と津軽三味線
が楽しめる、居酒屋へチェックイン!。

こんな時、自分は呑める口で良かったと
思っちゃいます(^_-)-☆。

カウンタ−に座って、郷土料理を肴に
生ビ−ルやら地酒で舌鼓!。

どれも津軽ならではの郷土料理ですが、
特に冷奴で食べた黒石豆腐はクリ−ミ−
で甘みがあり、絶品でした。

お隣さんと店の主人の会話に
耳を傾けるものの・・・
津軽弁らしき言葉は全く???
で、意味不明!。
でもお隣さんは民謡の先生だったんですね。
黒石豆腐 貝焼きみそ けの汁 ほっけ 地酒のセット
中央が店の主人 津軽三味線のライブタイム 中央が民謡の先生
津軽三味線のライブが始まりましたよ!。
まず登場したのが外国人のお二人\(◎o◎)/!  ちょっとビックリな展開でした。
お一人は日本の伝統芸能を勉強している方で、もう一人は英語の塾の先生とのこと。
津軽弁を話す英語の先生って中々面白いと思いました。 どちらも上手に演奏してくれました。
国境を超えて津軽三味線の魅力を発信していく姿勢はカルチャ−ショックでした。

その後は日本の若者達の演奏もあり、裾野の広さや郷土文化を大切しにていることも感じました。 
最後はカウンタ−からステ−ジに移動したお隣さんも 津軽三味線に合わせて、すばらしいライブをお聞かせいただきました。 
いや〜臨場感あふれる三味線の音色に歌が入ると、また一段と大迫力!。すご〜〜い (^。^)y-.。o○
美味しい料理と地酒、和気藹々とした楽しい時間をありがとうございました。津軽の方はいい人ばかりでした。
7月30日  岩木山
8:00 岩木山神社
2日目の朝も早起きです。 岩木山神社まではバスが出ています。
朝、8時前に岩木山神社に着きました。 天気はほぼ良さそうです。 
昨日の小雨で白神山地は諦めたものの、2日目には雨でも岩木山には登ろうと思っていたので、今日の晴れ間は有難い!。 
でも岩木山の上部は雲がかかっていて、鳥居の上に見えるはずの岩木山は見えません。 
まずは岩木山神社にお参りさせていただいてから、 いよいよ岩木山に登らせていただきましょう。
本堂脇から奥宮への登山口に入る  ここから山頂まで4時間15分 ほぼ一直線の道が続く・・・
岩木山へは八合目まで車道もあり、お手軽に登ることもできますが、一年前、津軽平野から見た岩木山の姿がとても美しく、
津軽人の愛する岩木山に敬意をこめて、やはり麓から登らなければという気持ちになりました。
岩木山神社から登る百沢コ−スは、古くから「お山参詣」の道として歩かれてきたものです。
歩き始めは道も緩やかで、ほぼ一直線に道が伸びていました。
杉林を抜けると桜の名所、神苑桜林の中を登り、スキ−場に出て、左側の登山道に入ります。
七曲 9:30 姥石
樹林の中の登りが続き、展望はありません。七曲といっても、それほど道は曲がってなく、
順調に岩木山に近づいているような感覚です。岩木山神社から1時間半ほどで姥石がありました。
岩木山は昔、女人禁制の山で、女の人はこの姥石までしか来れなかったようです。
姥石からは傾斜が出るものの、歩きやすい道が続きました。樹林の中で展望も変化もありませんが、所々にお花が見られました。
姥石から1時間ほどで焼止まり避難小屋がありました。 ここを過ぎると岩が露出した道になり、だんだん道が険しくなりました。
坊主コロバシ オオバキスミレ ミチノクコザクラ
沢地形の登りになりました。それからほどなく「あれっ!」 もう枯れかけたサクラソウが一輪・・・・。
これが≪ミチノクコザクラ≫なんでしょうか?!。  「これから先に見れるかなぁ?」
坊主コロバシというあたりは、岩の道になり、ますます傾斜が増していきます。
でも・・・このような場所に咲いていたのですね。ハクサンコザクラよりも大きくて存在感があります。 
登山道の反対側の斜面一面には群生地が広がっていましたが、近寄れないのが残念。
登山道脇に咲いているミチノクコザクラ
でも登っていくうちに、登山道脇に咲いているミチノクコザクラも多く見られるようになり、や〜見事・見事・・・
ミチノクコザクラは岩木山固有のお花です。 そして、数ある登山道の中でもこのあたりで見られるようなので、
登るのなら百沢コ−ス以外はありえないと思っていたわけでもあるんですよね。
このあたりでは カラマツソウやウコンウツギやハクサンチドリ などの花も見られていい所です。
振り返ると沢筋に展望が開け、津軽平野や町並みが見られました。
錫状清水で冷たい水を補給し、もうひと頑張り!。

岩だらけの沢筋を登っていくと、前方に岩山の奇峰が見えてきました。鳥海山の荒々しい火口壁です。
岩木山はその右側、時折流れてくる霧に見え隠れしていました。
種蒔苗代と岩木山 岩木山
種蒔苗代の小さな池まで上がってくると、岩木山が見えてきました。
鳳鳴避難小屋からは、ますます岩だらけの急な登りが始まります。もうこのあたりはミチノクコザクラの花は見かけなくなりました。
鳳鳴避難小屋からは八合目駐車場や登山リフト方面からの登山道と合流するので、ぐっと登山者の数は増えました。
ここから山頂へは急な岩場の道を2段階に登ります。子供連れの親子ハイカ−の姿がいっぱい。
地元に親しまれている山なのですね。
岩木山山頂 山頂にある岩木山神社奥宮
岩木山は岩だらけの山頂でした。山頂にある岩木山神社奥宮に手を合わせて、ここまで来れたことに感謝。
下りは嶽温泉ル−トにしました。リフト乗り場方面に向かうのですが、このまま登山道を下って嶽温泉まで下山すると、
数少ない路線バスの時間には間に合いません。
それどころか8合目から出ているスカイラインバスの発車時刻までも いっぱい・いっぱいの時間ではありませんか!。 
やれやれ・・・ミチノクコザクラで <みちくさ> しすぎたのでしょう。
山頂からの下山、8合目の駐車場が見える              バスの窓から見た岩木山神社と岩木山
リフトに乗るほどでもないので、急いで下山し、8合目にはバスの出発する5分前に到着しました。
スカイラインバスで嶽温泉に向かい、ここで一旦下車します。
弘前駅行きの路線バスを待っている間に、登山の格好から観光モ−ドに着替え、缶ビ−ルを買ってバスに乗りました。 
その途中にある岩木山神社からは、鳥居の上に岩木山が見えたのでした。
弘前城公園
市役所前でバスを降り、アフタ−登山の始まりです。
まずは桜で有名な弘前城に行ってみました。 弘前公園はとても広い敷地でした。
すごくたくさんある桜の木は手入れが行き届いていて、さすが日本屈指の桜の名所! 桜の季節、満開の桜を見てみたいものです。
弘前 ねぷた村
津軽藩 ねぷた村 津軽三味線の演奏
弘前公園から歩いて 津軽藩 ねぷた村までやってきました。 ここでは 津軽三味線の演奏を聴くこともできます。
地場産品の津軽塗りの工程などを見ることもできて、津軽の文化に触れることができます。
(正面の絵は鏡絵)勇壮な絵 弘前ねぷた (後面は見送り絵)美人画
そして、メインはこの弘前ねぷたでしょう。弘前ねぷたの特徴は扇型が主流です。
正面の絵は鏡絵といって、三国志や水滸伝などの勇壮な絵が描かれていて迫力満点。
後面は見送り絵といって、東北の過ぎ行く短い夏を表しているようで、表とは対照的な愁いを含んだ美人画を描いているとのことです。
黒石 ねぷた祭り 審査合同運行
今回は青森ねぶたと弘前ねぷたの展示を見て、それぞれの特徴を知ることができました。
でも、実際のねぶた祭りというのも見たいものです。黒石は弘前から弘南鉄道弘南線に乗って30分ほどの所にあります。
まずは黒石駅近くの観光協会で黒石ねぷたの情報収集をしてから こみせ通りへと行ってみました。
弘南鉄道弘南線に乗って 黒石 こみせ通り こみせ通り の町並み
黒石は城下町として栄えた町で、中町こみせ通りでは江戸時代の木造ア−ケ−ドが残っています。
この時間、道の両側にはねぶた見物のシ−トや椅子が並び、ビ−ル片手にご馳走を楽しんでいます。
黒石もつけ太鼓
ほとんどのねぶた祭りは8月に入ってからですが、黒石ねぷた祭りは7月30日に審査合同運行が行われていて、
70台ものねぷたが見られるとのこと。夜行バスで帰る時間まで、このねぷた祭りを見ることにしました。
夕方6時30分、花火の合図とともに始まりました。
まずは威勢のいい 黒石もつけ太鼓 がやってきました。
扇ねぷた 黒石ねぷた祭り 扇ねぷた
人形ねぷた (高欄の額には武者絵  前面は豪華絢爛な武者人形)      人形ねぷた(背面の見送り絵はおもに美人画)
黒石ねぷたの囃子は、笛・太鼓・摺鉦による『進め』『止まれ』『もどり』の独特な三種類。
すっかりあたりは暗くなりましたが、まだまだこれからも次々と美しいねぷたがやってきます。
帰りの時間の都合もあるので、御幸公園方面に向かって歩いていきました。
ここには、出番を待っている たくさんのねぷたがスタンバっていて、その光景は圧巻でした。
時間いっぱいまで ここでねぷたを見てから、黒石駅発20時20分の弘南鉄道に乗って弘前駅へと戻りました。
夜行バスは弘前BTから21時20分発です。 2日間、朝から夜までたっぷりと青森・弘前の魅力を満喫できた旅となりました。
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