日向山と鞍掛山のクモイコザクラ
2011年6月4日
今年の梅雨入りはいつもより早かったけど、好天予報となった週末・・・
本格的な夏山シ−ズンに備えて、そろそろ今年も真面目にトレ−ニングを開始したいと思っていた時に絶好の山がありました。
大展望とお花が見られる山にレッツ・ゴ〜〜〜!

当日は少し早起きして、4時半に出発しました。いつもの通い道路(国道52号線)で再び山梨県へ〜〜〜。
白州道の駅交差点を南に入り、ぐんぐん高度を上げて矢立岩までやってきました。
時間は7時20分頃、登山口にはすでに10数台の車があり、広くない駐車場もほぼ満車でした。
出発の支度を終えた横浜ナンバ−の車の隣に駐車し、7時30分に登山開始です。
日向山には何度も登っていますが、その向こうにある鞍掛山はまだ未踏の山です。
「こんな朝早くから駐車している車の人達はきっと鞍掛山まで登っているのだろうな・・・。」
入山ル−トは お手軽ハイキングコ−スから〜〜〜まずは日向山に向かうことにしました。
7:30 矢立岩登山口 グリ−ンシャワ−をたっぷりと浴びて・・・  このあたりはヤマツツジが多い
新緑が朝日に輝き、ヤマツツジのオレンジ色が一段と華やかに映えます。野鳥の囀りを静かなBGMに、癒しの時間を満喫中・・・。
矢立岩から登る‘日向山ハイキングコ−ス’は傾斜も緩く 道も整備され1/10〜9/10・・・と山頂までの目安となるプレ−トもあって、
安心して歩けるまさにハイキングコ−スです。
今回は中盤以降の鞍掛山への体力温存の為にも このコ−スを上りル−トにすることにしました。
8:20   カラマツ林に包まれて6/10                         8:45 日向山(雁ヶ原)
5/10を過ぎると、あたりは柔らかな芽吹きの薄緑色が美しいカラマツ林に包まれていきます。
新緑もよし、黄葉もよしのこのあたりは私が大好きな場所。
 雨量計を過ぎ、日向山の三角点を右に見送ると、砂地となり前方に展望が開けます。ここが雁ヶ原、いつ来ても すばらしい所。
車の数に比べて登山者は2パ−ティ−位と閑散としていました。みんなはきっとその先の鞍掛山に向かっているのでしょう。 
天気は快晴ですが甲斐駒ケ岳には雲がかかってしまいました。残念・・・。
雁ヶ原
白砂と花崗岩のオブジェが美しい雁ヶ原。

残念ながら甲斐駒ケ岳だけ雲がかかってしまったけど、反対側には金峰山方面や八ヶ岳がすっきり見えます。
花崗岩のオブジェを右に見ながら
砂地をぐんぐん下っていくと、そこか
らが鞍掛山への本格的な登りになります。

傾斜のある砂地の斜面をあっという間
に下ったところにあるのが日向山下山口
(錦滝)の標識です。
一般ル−トはここを左に折れて下るので
すが、鞍掛山方面にはそのまま直進します。

西側に発生する尾根を登りきった所が
駒岩というピ−クです。

鞍掛山へは駒岩のピ−クから南に方向
を変え、一旦下って登り返します。


 この岩を乗り越えたら、
  その先に道が付いていました。

この先からは、普段なら登山者が
ぐっと少なくなるのでしょう。
私もここから先は初めて歩きます。

ネット情報では、道は付いているとなって
いるけど、ここからは慎重に歩きましょう。


8:55   (錦滝)下山道分岐
9:05 ヤセ尾根を歩く                     9:20 分岐近くにある標識
しばらくはヤセ尾根となり、岩を巻いたり、すぐ横は切れ落ちている斜面のてっぺんを歩きます。  
登山道はあるけど顕著な道ではないので赤テ−プも確認しながら進みました。
足元の花はスミレやマイヅルソウ ぐらいですが、ミツバツツジの花があちらこちらで咲いていて とってもきれい。
帰りは先ほどの(錦滝)下山道分岐まで戻って錦滝に下りるつもりでいたので、復路この道を歩くのだと思ったらちょっとイヤだなあ。

その先で 朝会った横浜ナンバ−のグル−プに会いました。この人達は錦滝から登ってこられたようで、左に振り向くと、
下っていく別の道がありました。標識は無いけどここが分岐点だったんですね。 赤リボンが木に付いていました。
ここで会わなければこの下山道は気が付きませんでした。「帰りはこっちの道で下りればショ−トカットできるね。ラッキ−!」
分岐点から6〜7m先に鞍掛山・大岩山への標識が・・・「あ〜標識もあるんだ〜。」
10:07   本格的な登りももう少し                  10:50 稜線の南側を歩くようになる
この標識からが、本格的な登りとなりました。所々にミツバツツジが咲いているだけで展望はほとんどありません。
足元にはマイズルソウの葉やコミヤマカタバミが少々。 踏み跡と赤テ−プを気にしながら、ただ黙々と登るのみです。
前方が開け、道が大きく右にカ−ブすると稜線の南側を歩くようになります。
やっと左手に展望が開け、傾斜も緩くなりました。木立の間から時おり黒戸尾根や甲斐駒ケ岳、鳳凰山などが見えてきました!。

10:42    駒岩のピ−ク     鞍掛山への標識(それ以外に大岩山への標識も有り)    10:50 どんどん傾斜が増す
やがて駒岩のピ−クに到着しました。木立に囲まれ展望はありません。
駒岩分岐点と鞍掛山・大岩山への方向を示す看板があったのみです。
大岩山へはこのまま直進するけど、鞍掛山は南側の尾根を下ります。

下り始めると傾斜はどんどん強くなり、ここを再び登り返すと思うとがっかりですが・・・

 突然現れた光景に大感激!  なぜここだけに咲くのでしょう。
クモイコザクラ

この花を見たくて、鞍掛山までやってきました。

ちょうど花も見ごろで、「よかった〜見れました!」
岩のほんの隙間に根を張ってこれだけ
美しい花を咲かせるのですね。

根付いた場所によっては下向きに
咲いているのもあって、これがまた
何ともいえない造形です。

水分を含んだ大岩はほどよく苔むして
、まるで巨大な盆栽を見ているようです。



クモイコザクラ(雲居小桜)

科名・属名: サクラソウ科 サクラソウ属

特徴
 
亜高山〜高山帯の湿った岩壁に生える
多年草で、高さは5〜10センチ。
コイワザクラの変種で、中部地方中心に
分布している。

 基本種と比べると深山に分布し、
南アルプスやその周辺の山の湿った岩場
に生えている。

 紅紫色の花をつけ、コイワザクラの変種
とされ、より深山に咲き、葉が1/3ほど
裂け、鋸歯が尖るのが特徴。

分布・生育地
 本州(南アルプス、八ヶ岳、秩父山地)

 
温帯上部の山地の岩場

 
11:00  まずはトラバ−ス気味に進む                    11:16  根っこが張り出した急な道

大岩の横からロ−プ沿いにトラバ−ス気味に登っていくと、だんだん傾斜が増してきました。
木の根っこが張り出した歩き難い登りが続きます。 踏み跡も赤テ−プもあるので迷うことはありません。
11:17   シャクナゲの幼木が多いあたり            11:20   鞍掛山山頂(標高2037m)
シャクナゲの幼木が多くなり、幽玄深山の雰囲気のする場所もありました。コイワカガミはまだ葉っぱのみでした。
ほどなく鞍掛山に到着です。でもここは木立に囲まれ展望はありません。
展望台まではここから6分の表示があります。 さて、どんな展望が広がっているのでしょう。
11:30 鞍掛山展望台
うっそうとした木立を抜けると、話し声が聞こえてきます。砂地と花崗岩の展望台の手前には日当たりがいいので
コイワカガミが咲いていました。  展望台には10名位のパ−ティ−とあと数組の登山者が寛いでいました。
鞍掛山展望台から 甲斐駒ケ岳
鞍掛山から見る甲斐駒ケ岳は さすがです。 鞍掛山に登る登山者の目的は、ここからの展望だということですね。
鋸岳は険しい山容ですが、ここから見る黒戸尾根は黒戸山が大きく横たわって見えます。鳳凰山にも残雪がありました。
展望台の壊れた祠と石像         11:50 展望台より下山
展望台には壊れた石の祠があり、石仏が二体ありました。
石碑には鞍掛山二?代 開山三?年記念と彫られています。 ここは昔、信仰の場だったのですね。
正面に見える甲斐駒ケ岳も、登山路の黒戸尾根も山岳信仰の聖地です。その甲斐駒ケ岳と関わりがあるのでしょうか?。
明治後期に初めて登山者が鞍掛山に登った時にはすでに石祠があったとか?。
昔 甲斐駒ヶ岳が女人禁制だった頃、信仰深い女性が神甲斐駒を仰ぐため登ったといわれる山とか?。
などの 説もあるみたいですが、真相はわかりません。

ここでネット仲間のひらさんに会えるかな?と思ったのだけど見当たりませんでした。
‘旬のひとこま’でひらさん見参!!という情報があったので、もしかしたらと思ったのだけど残念・・・。

ひらさんのHighトレッキング

下山も道が急だから慎重に行動しましょう。
展望のない鞍掛山に戻り、時々一緒になる横浜から来たグル−プの人達の後について
木の根の張り出した急傾斜を下っていくと、登ってくるお二人の登山者とすれ違いました。
すれ違った後で気が付いたのだけど、きっと彼等がひらさん達だったのかな?。
声を掛けそびれてしまいました。残念、またお会いしましょう。

  13:05 駒岩 着     12:40  オオカメノキ                       12:53 だらだらと下る
再びコモイコザクラにご対面し、駒岩までの険しい登りも頑張り、やっとここからは下るのみです。
最初はだらだらとした下りです。 木立の間から鞍掛山や甲斐駒・鳳凰山を見て・・・これでしばらくは見納めです。
 13:25                 13:25 錦滝へのショ−トカットコ−ス分岐     
再び急な下りとなるけど、鞍掛山からの下りよりは歩き易い感じです。前方に雁ヶ原の白砂が見えてくると分岐も近いはずです。
ほどなく上写真の標識を確認し、その先の赤テ−プのある分岐点を右手に下っていきました。
新緑も鮮やかな明るい道で歩き易く、ピンクやオレンジのツツジも多く咲いていました。
13:27 ミツバツツジからヤマツツジへと変わって    13:40 日向山ハイキングコ−スの分岐    14:05 急な階段
15分ほど歩くと 上写真の標識がありました。 ここで日向山ハイキングコ−スに合流したことになります。
ここには鞍掛山方面への標識があったので、錦滝を登ってくればこの分岐でショ−トカットコ−スに入れるようです。
錦滝への下山はここから20分と標識に書いてあるけど、とてもハイキング感覚で下れる所 じゃぁ〜ありません。
傾斜度は今日一日の中で
一番険しいものです。

ここを下る時も、登る時も、
「なんでこの登山道が
ハイキングコ−スだろう?」

と毎回疑問に思ってしまうのですが、
きっとみなさんもそうお感じですね!。
鉄の階段を下りるとあと少しです!。

滝の流れる音がして、
錦滝に到着しました。


滝の流れる岩肌にピンク色の
花が見えます。
滝のそばまで行ってみるものの、
飛沫がかってそれ以上 
近寄ることができません。

鞍掛山まで登らなくても、ここで
クモイコザクラが見られるの?。

肉眼では見えませんが、
花は一緒でも、葉っぱは
まったく違うようです。
ユキワリソウのようでした。

滝のマイナスイオンでリフレシュした
後は林道を歩いて戻りましょう
14:10 錦滝  滝の中の岩肌に ユキワリソウ が咲いている
14:20  林道を歩く 15:00 駐車場
林道にはヤマツツジがたくさん咲いていました。白いウツギの花もいい香りがしてきます。 藤の花も満開でした。
朝7時半から歩き始めて、駐車場に戻ってきたのが午後3時。 行動時間は7時間半と、たっぷり歩けました(*^_^*)。

帰りは、麓にある 尾白の湯 で温泉タイム。 超高濃度温泉型の源泉で、  ナトリウム−塩化物強塩温泉(高張性中性温泉)。
ここのお勧めはなんといっても源泉露天風呂です。赤茶けたぬるめの温泉にたっぷりゆっくり浸って、極楽気分を満喫しました。
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