花の白山  (大白川谷遡行〜白山御前峰〜別当出合)

2008年7月19日〜21日

東海北陸自動車道の荘川ICを降りて、御母衣湖を過ぎ、平瀬温泉の手前を左折。
ぐっと道幅の狭まった林道を走ること20分ほどで、白水湖に到着しました。白水荘は白山の登山口《平瀬道登山口》があります。
沢ル-トの大白水谷はそのすぐ手前の橋が入渓地点でした。

 今回は沢中一泊、もう一泊は南竜ヶ馬場の幕営地と、荷物が重いのが難点でした。

2008年7月19日
絶対に必要な物だけでも結構
な重さなので≪あると便利なもの
は持っていかない≫

私は渓流タビなので登山靴は必要。
シュラフカバ−とテントマットは不要。
ビ-ルの替わりにワイン


と私なりに努力したのですが・・・。
白水荘 (平瀬道登山口)             入渓直後の様子
朝9時、支度を整え、駐車場手前
の橋の横から入渓しました。

すでに太陽は情け容赦無く照り付け、
暑さが背中からやってきます。

天然の苔庭のような壁には、
ひと筋ふた筋の雫が流れ落ち、
「なんて美しいんでしょう」

荷物が重いので、大きな岩を伝い
ながらの渡渉もバランスが悪く、
繰り返していると汗が
流れ落ちてきます。

天然の苔と小滝を見ることができるのも渓流ならでは・・・
最初の2時間位は渡歩で河原を進む
   ところどころで出会う 見どころ満載の渓流美         スノ-ブリッチが寸前で崩壊!!その右側の滝をロ-プで登る
入渓して4時間ほどで滝が連続する箇所に着きました。休憩をしていた先のスノ−ブリッチが
『ゴゴゴ−』と音を立てて崩壊しました。ここで何箇所かロ−プを出して滝を越えました。


長い間水の中に居るので、体じゅうガタガタと震える場面があったり、疲労感だけは倍増してきました。


遡行していくにしたがい、周りの渓相は狭まり、滝を越えられない時には踏み跡を頼りに草付きを高巻きました。
小滝直登ゾ−ンになったものの、残雪が予想以上に多く、高巻きしては労力を使います。
草を掴み、枝を持ちながら急峻な斜面を再び沢向かって下降します。
 この沢には単調なゴ-ロ歩きやナメ滝というものはありませんでした。
滝を越え、渓流の中を腿まで浸かりながら渡渉を繰り返すという連続です。
8mの滝を登る
8mの滝の上部には25mの滝が出現
25mの滝は中段のテラスで一息
遡行も後半戦を向かえ、滝を越すごとに難易度が高くなってきたような感じです。
やっと登りきった滝の上で、小さな蝿のような虫が顔中にたかってきました。払っても払っても、
虫どもは怯む気配もなく情け容赦無く群がってきます。ザックも順番に引き上げていたので、そこに留まっているじゅう、
猛襲撃を受け続けました。(たぶんこれは≪ブヨ≫だったようで後で大変な目にあったのでした (-_-;) 。)
やっと今日最後の滝を越えます
トップは左側を登ってゆきます
標高1800m地点でビバ−グ。
焚き火を囲み、至福のひととき・・・
最後の滝も辛っぱかった。  その後の滝は越えられずに右側を巻きました。標高が上がるにつれて
草付きの中にも背丈の高い高山植物が見られるようになりました。

傾斜が60度位ありそうなガレ場を、木の枝と草を掴みながら攀じ登っていきます。 
当然あたりは落石の巣と化します。それだけのリスクを承知で沢に入るわけだけど、
運悪く小さな石が私の右膝を直撃しました。少し痛いけど、歩くのには支障が無かったのがさいわいでした。

滝越えや、高巻きで時間がかかり、時間はすでに19時になってしまいました。
幕営予定地の二俣まではすぐなので、ヘッドランプを用意してビバ−ク地点まで進み、テントを2張設営し、20時にやっと行動終了・・・。

Nさんが担いできた《大変貴重なビ-ル》を少し頂くと、みるみるうちに元気になっていくのを実感しました。 
軽量化を意識??して各自用意したアルコ−ルをチビリチビリとやりながらゆっくりと夜が更けていったのでした。
7月20日

朝起きたら
「あれっ???どうしよう・・瞼が重い・・」 
恐る恐る鏡を見たら、
とんでもない顔になっていました 
\(◎o◎)/!。  
おまけに昨日落石を受けた
右膝も痛みます。

岩から岩への渡渉は少し膝が
痛みましたが、ほどなく沢は
雪渓の下に埋もれ始めました。
二俣近くの渓の様子
沢は雪渓に埋もれ始めた
大白水沢の雪渓歩き
雪どけ直後に咲くショウジョウバカマ       キヌガサソウ
雪渓の中央と両端は崩壊の危険があるので、全幅の3分の1ほどの雪面を一列で慎重に歩きました。
ここからは上はすっぽりと雪渓に覆われていたため、軽アイゼンも装着し、源頭部を目指しました。
雪解け直後の湿地にはハクサンコザクラやショウジョウバカマのピンク色が映えました。
雪渓を左へ左へ進み、カングラ雪渓に出たようです。左上に見える稜線は大倉尾根で、時折登山者の姿も見えました。
源頭部を忠実に詰め、カンクラ雪渓に入ってきた   ≪白山御前峰≫   雪渓が終わり、沢装備を外し登山道に戻る支度
結局、雪渓を3時間半位かけて登りつめましたすぐ近くにはお花畑がありました。 

ここからハイマツの中を5mほど進むと、大倉尾根と展望歩道の合流地点の手前に出ることができました。
ここからは登山者だらけの道を室堂まで進み、ここにザックを置いて白山御前峰を目指しました。
ハクサンコザクラ                   コバイケイソウ                   クロユリ     
ここからはいちだんとハイカ−の数が増え、登山道は人・人・人・・・。
道ばたにはクロユリやイワギキョウやイワツメグサなどがたくさん咲いていて、さすがは≪花の白山≫たる所以です。
Kさんは道行く人に『ニ−ハオ!』 
と陽気に挨拶を交わしています。 

実は私の瞼の閉じた顔を見て・・・
『おぉぉ〜そんな顔、中華(ラ-メン)
のキャラであるゾ!』 

そして、この顔なら 「こんにちは」よりも
「ニ−ハオ!」 と挨拶すれば
違和感ないよと、からかうのでした。
 わたし → 中華(ラ-メン)のキャラ!? → お福さん人形
イワギキョウ
クルマユリ
イワツメグサ
御前峰でみんなで一緒に記念撮影の後、室堂に戻りました。下りになると、右膝が痛み、左右対称の姿勢で降りることができません。
時々道を譲りながらゆっくりとしたペ−スで下りました。
介護者は 『スミマセン・・・障害者がいるので先に行ってくださ〜い』 と道を譲ります。
譲られた方は私の顔を見て気の毒そうに・・・!?。「おいおい!障害は顔だけじゃないんですけどぉ!!」
室堂からは、南竜ガ馬場に行く
≪トンビ岩コ−ス≫での雪渓の下り
に苦しめられ、疲れから瞼はますます
重くなり、満身創痍でみんなの待つ
テント場まで戻ってきました。

皆揃ったところで乾杯! 
今夜のメシ当番はNさんだったので、
すべてお任せで、体中の血液がビ-ル
になるくらい水分補給に務めました。

その後、宴はテント内に場所を移動し、
延々と続いたのでした。
南竜ヶ馬場のテント場
今日のビ-ルも 格別に旨い!
7月21日
昨夜もご機嫌でたっぷり飲んだせいか・・・・・
朝起きたら顔が大変なことになってしまいました \(◎o◎)/! 。 
瞼は腫れ上がり、頬は2倍くらいの大きさになってしまいました。 

「あぁ〜・・・まるでお福さん人形だ・・・」 サングラスをかけて一人反省していると
 『別にさぁ〜人の顔なんてマジマジ見るわけでもないしさ〜』 と、いたって無関心な様子。 
「最初からこんな顔なと思えばいいんだ。もっとも自分の顔は自分では見えないから!」
別山とチブリ尾根
南竜道に咲いていた高山植物
今日の行動は私の膝痛もあって当初の計画を変更することになりました。
健常者3名は大倉尾根で車を回収し、白山ス−パ−林道で白山温泉に。私と介護班は最短ル−トの砂防新道で別当出合に下山です。

南竜道からは当初の歩く予定だった別山とチブリ尾根が見えます。
「さようなら〜別山・・・また来るからね〜!」と別山に別れを告げ、眠くなりそうなカメさんペ−スで下山したのでした。
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