鹿島槍ヶ岳 
2008年9月27日〜28日
1日目 9月27日

7:30 柏原新道登山口ー8:25ケルンー10:15種池山荘ー11:40爺ヶ岳北峰ー
12:00爺ヶ岳中岳(標高2669m)ー13:00冷乗越ー13:15冷池山荘ー13:50冷池テント場(幕営)
所属している山の会の定例山行の当初の予定は黒部の下の廊下でしたが、
今年は残雪が多く、開通は10月になるだろうとのことでした。

急遽代替山行に切り替え、出発2日前に決まったのが、同じ扇沢から入る
≪鹿島槍ヶ岳≫でした。

山岳天気予報で登山前日は雪でしたが、この頃の降雪はすぐに融けるから
雪山装備は必要ないだろうとのこと。メンバ−全5名で行ってきました。
朝7時に予約してあった扇沢タ-ミナルの車回送サ−ビス社に、
下山口の大谷原へ車の回送をお願いし、柏原新道から出発しました。

柏原新道は種池山荘まで標高差1120mを登りますが、
良く整備された歩き易い道です。
柏原新道登山口
モミジ坂を登り、ケルンを過ぎると展望の開けた道になる。 錦繍の競演   積雪と紅葉の絶妙なコントラスト
1時間ほどで石の積まれたケルンに出ました。その後は傾斜が緩い箇所もあり、
山腹を巻くような道になると展望が利くようになりました。
左手には扇沢タ−ミナルと、その上部には蓮華岳が見えるようになりました。
ケルンから20分ほどで登山道脇に雪が付き始めました。
紅葉と 蓮華岳〜針ノ木岳
平らなトラバ−ス道の水平道
石畳の道
登山道は、石を組んだ石段や石畳の道でとても歩き易く、水平道〜水平岬などと名前のついた地点では
ダケカンバやナナカマドなどの紅葉が見頃を迎えていました。

雪の冠を頂いた緑色の葉っぱや、憂愁の美を飾る鮮やかな紅葉越しに見る針ノ木岳もうっすら雪化粧・・・。
なんて贅沢な眺めでしょう。

柏原新道は標高差で1120mも登りますが、歩き易い上、目でも楽しませてもらってこんなに愉快な登りはありません。
ナナカマドも秋化粧
チングルマの紅葉
種池山荘の下は草紅葉
その後ガレ場を通過して、紅葉に色どられた潅木帯の石畳を登っていくと種池山荘が見えてきました。

種池山荘のすぐ下はお花畑になっていて、夏草は雪化粧して迎えてくれました。
チングルマは真紅色に紅葉して、実はわたげの一本一本に白い雪の結晶を纏いキラキラ輝いています。

いろいろな偶然が重なり合って生まれる一瞬の美の競演に大感激です。
登山口から2時間45分で
種池山荘に到着しました。

ここからは大きな登りはありません。

種池山荘で大休止です

立山連峰と剱岳方面は雲がかかって
展望はありませんでした
。明日を期待しましょう(^_-)-☆

クマに注意という看板がありましたが、
クマが出るのですね。
寒くなってきたので、歩くことにしました。

種池山荘から爺ヶ岳までの稜線が、
この二日間で一番素晴らしい風景でした。

 爺ヶ岳と紅葉と雪の華
振り返って種池山荘を見る。立山・剱岳方面は雲の中              錦繍と初冬の彩り

  夏草と雪が一瞬の時を合わせる貴重なオブジェ          爺ヶ岳へと続く幻想的なプロムナ−ド
白く雪化粧した爺ヶ岳に続く稜線には、ハイマツやシラビソなどに雪が積もり幻想的な雰囲気です。
振り返って三角屋根の種池山荘を見たら、ここが日本?と思うほど、どこかの国にタイムスリップしたような感覚になりました。
雪化粧したハイマツの端正な美しさ。その横の緑や赤く色付いた葉っぱには雪の結晶が縁を彩りキラキラと輝いています。
爺ヶ岳への登り            丸々と成長した(*^_^*)エビのシッポも見られました。
歩くほどに息を呑む風景にうっとりです。

紅葉前線真っ盛りの稜線に雪が降る・・・ たぶん毎年繰り返されている光景でしょうが、
降雪直後のその一瞬にめぐり合えたことは奇跡に近いものがあるような気がします。
この一瞬でしか見られない光景      夢が終わった夏草も、雪でもう一花咲かせました  ウラシマツツジの紅葉
爺ヶ岳への登りは小石の敷かれた歩き易い道で、登山道には雪がありませんでした。

爺ヶ岳北峰には種池山荘から50分ほどで到着しました。この稜線からは双耳峰の鹿島槍ヶ岳が大きく見渡せました。

北峰から中岳には10分ほどで到着し、ここから冷池方面に一旦下ります。
爺ヶ岳南峰(標高2660m)
冷池に向かう稜線を歩く
小屋はもうすぐ
13時ちょっと過ぎに冷池山荘に着きました。
幕営手続きを済ませ、水一人2リットルと乾杯用の冷池ビ−ルを人数分購入し、
ここから10分ほど登った所にある幕営地へと向かいました。

登山道脇にある開けた台地がテント場です。風が強いと風の影響を受けやすい場所ですが、
立山連峰〜剱岳の展望は申し分ありません。
テントに落ち着き、15時前には乾杯となりました。時間がたっぷりあるのは心身ともに落ち着きます。
まずは割り当てのロング缶で
一杯(*^_^*)
ただし時間が有りすぎるので
ゆっくりゆっくり・・・


鮎の干物はビ−ルの肴にぴったり! 
ちらし寿司も絶品でした。

暗くならないうちに宴は終了。
今晩はたっぷりと寝て、
明日に備えましょう!
冷池山荘
ディナ−は冷池ビ−ルとちらし寿司
2日目 9月28日

5:35冷池テント場ー6:20布引山(標高2683m)ー7:00鹿島槍ヶ岳南峰(標高2889m)−
7:50鹿島槍ヶ岳北峰(標高2842m)ー8:25鹿島槍ヶ岳南峰ー9:00布引山ー9:30冷池テント場ー
10:05冷池山荘ー10:30冷乗越ー11:15高千穂平ー12:40西俣出合ー13:25大谷原駐車場
朝5時30分 テント場から立山〜剱岳を見る         反対方向の雲海と朝焼けの空を望む
夜は0度以下に冷え込んだようで、うっかり外に出しておいた水が凍っていました。
うっすら雲がかかっているけど今日もいい天気になりそうな予感です。
力ラ−メンの朝食の後、日帰り装備を持ってテント場を出発しました。 
草紅葉と潅木越しに布引山、鹿島槍ヶ岳の双耳峰が大きくなる     最初のピ−ク布引山(標高2683m)
登山道の雪を心配していましたが、まったくありませんでした。
高山植物群生地の紅葉を眺めながら、正面には、布引山・鹿島槍ヶ岳南峰・
鹿島槍ヶ岳北峰と3つのピ−クが迫ってきました。   今日これから登る山々です。
剱岳
槍ヶ岳
布引山への登りになると、広々とした斜面をジグザグに登るようになります。
ハイマツや紅葉はありませんが、左手には常に立山連峰から剱岳が望め、大展望のスカイトレイルに足取りも軽々!?です。
剱岳から小窓、そのまた先にある北方稜線も気になります。日本海も見えました。
振り返って爺ヶ岳方面を見ると槍ヶ岳のピ−クも見えました。
   山頂からは後立山連峰の大展望が広がりました        鹿島槍ヶ岳南峰(2889m) 
布引山からはほとんど下ることなく、鹿島槍ヶ岳への登りになります。
岩クズのジグザグ道をひと登りして鹿島槍ヶ岳南峰に到着しました。
このピ−クからは後立山連峰も望めました。

一つの山の山頂に立って、そこから山を眺めることも登山の楽しみです。
白馬岳は五竜岳〜唐松岳の向こうに、シャ−プな三角形のピ−クを誇示していました。

でもここから眺める剱岳は圧倒的な存在感がありました。急峻な谷と雪渓と、人を寄せ付けない岩盤の鎧を纏った巨大な山塊。
鹿島槍ヶ岳北峰
南峰から北峰への下り
雪の付いた急な岩場
南峰から北峰が見えます。吊り尾根ですが、一旦ド〜ンと下るようです。
まずは岩場をまわり込むと、雪の付いた急な岩場の下りが待っていました。

万が一、足を滑らせたらヤバイ所です。北西面になるので、雪は融けずに一部凍っている感じです。
この10mほど下りだけは慎重に降りていきました。八峰キレットへの道を左に分けると、北峰に着きました。

ここから見える南峰は急峻でひときわ高く聳えていました。
キレット方面を覗くと、はるか下の方にキレット小屋が見えました。
再び南峰へと戻りましたが、先ほどの岩場は登りなので難なく通過。南峰からはテント場まで来た道を戻りました。
幾重にも連なった北アルプスの山々(爺ヶ岳の後方には薬師岳や針ノ木岳など)   爽快な稜線歩きからの爺ヶ岳
帰りは爺ヶ岳と、幾重にも連なった北アルプスの山々を眺めながら稜線散歩を楽しみました。
立山から西方面には五色ヶ原のある稜線の先に薬師岳が・・・
爺ヶ岳から扇状に連なる山々は黒部ダムからもよく見える針ノ木岳やスバリ岳です。遠く八ヶ岳も見えました。

高山植物帯に入るとテント場はもうすぐです。
出発してから4時間半でテント場に戻ってきました。テントを撤収して冷池小屋に戻り、昨日通過した冷乗越まで登り返しました。
この分岐から赤岩尾根で下山します。
赤岩尾根上部の色とりどりの紅葉      色付いた潅木越しには終始、鹿島槍ヶ岳が見えました(*^。^*)
赤岩尾根に取り付いたとたんに、色とりどりの紅葉が迎えてくれました。全体的に急な尾根のようですが、
それほど歩き難い道でもなく、所々にアルミの階段や木のハシゴが付いていて順調に高度を下げていきます。
何より、紅葉した木立越しに鹿島槍ヶ岳が望め、あっという間に下ってしまうのが惜しい気がします。
赤岩尾根は急傾斜なのでアルミの階段や木の梯子が多い      高千穂平まで下ると霧に包まれてしまいました
標高が下がるにつれて霧に
包まれてしまいました。
どうやら雲の中に入ってしまったようです。

高千穂平は開けた場所で展望も
いい場所のようですが霧の中・・・
これで鹿島槍ヶ岳ともお別れです。

高千穂平からもグングン・グングン
下って西俣出合に降りました。

標高差1100mを2時間ほどで
降りてきました。

深い樹林の急な下り
西俣出合で尾根歩きは終了
西俣出合からは堰堤のトンネルを
抜けて対岸に出て、林道をゆるやかに
下ること50分で
大谷原駐車場に着きました。

回送手配した車は主の帰りを
待っていてくれました。


早速乗り込み、大町温泉郷・薬師の湯
で登山の疲れを癒したのでした。

堰堤の中のトンネルをくぐり対岸に出る   ラスト40分は車道歩き
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