身延山 と 久遠寺のしだれ桜
2012年4月6日
4月に入り、開花が遅れていた
身延山の桜が気になります。

ネットで見ると、まだちょっと
早いのですが、
この日以外に日程が取れないので、
早起きして行ってみることにしました。


桜の時期は身延町総合文化会館
の無料駐車場からシャトルバス
(往復400円)が出ているので、
これに乗って門前町まで向かいました。
9:05 門前町から身延山が見える        9:10 身延山山門
   9:12 菩提梯 五重塔 9:20 本堂
巨大な山門をくぐると、急で長〜い石段の菩提梯を登ります。
この石段を登らない人は 傾斜が緩い女坂・男坂もありますが、はやり菩提梯を登りたいものですよね。
三門から本堂へと続く287段の石段は、登り切れば涅槃に達するという意味ので、南無妙法蓮華経の7字になぞらえ、
7区画に分けられています。
石段を登りきるとまず目に入るのが、五重塔です。2009年5月、明治8年の大火による焼失より134年ぶりによみがえりました。
本堂と五重塔の間からはこれから登る身延山とロ−プ−ウエイが見えます。
報恩閣前のしだれ桜
広大な境内には大小の桜の木がありますが、ナンバ−1は「報恩閣」の樹齢約400年のしだれ桜。
もうすぐ満開を迎えそうです。
報恩閣前のしだれ桜
まだ朝の9時半ごろなので人手もそれほど多くないですが、日蓮宗総本山なので、お釈迦様の誕生日の頃
になると信徒が全国から観光バスを仕立てて大法要に訪れます。それに加えてお花見の観光バスも多く入り、
日中や週末などは花見客でごった返すのでしょうが、今朝は静かなお花見ができました。
仏殿前のしだれ桜
もう一つの見所の桜は「仏殿前」のしだれ桜です。以前より小さく感じましたが、やはり上部が枯れてしまったとのこと。
こちらも樹齢約400年。もうすぐ満開です。
仏殿前のしだれ桜                    9:40 奥の院参詣道(表参道)に進む      
本殿まで戻り、斜行エレベ−タ付近から見える西谷地区の桜は満開のようです。
今日は奥之院まで登山することにしました。 本殿の後ろに回りこんだ所から表参道が始まっています。
駐車場へは左下。 ロ−プ−ウェイ乗り場には真ん中の水平の道。 奥之院表参道は右側の車道を登っていきます。
        
9:42 本地堂 本堂の屋根や五重塔が見える 9:50 十丁
最初のカ−ブには「七丁」の丁石がありました。この丁石は奥の院まで「四十九丁」続いています。
2つ目のカ−ブにあるのは本地堂。 ここからは本堂の屋根や五重塔が見えました。
「奥之院道」は
江戸時代の身延山がそのまま
残っている場所で、丈六堂・三光堂や、
江戸時代に活躍した僧侶や信徒の
墓域があるとのこと。


さらに細い山道を登っていくと、
東照宮など当時の歴史がそのまま
残っている場所があって、
ロープウェイで奥之院に行ったのでは
味わえないと書いてありました。

日蓮聖人が故郷の両親を思って
登った道・・・
往時の法華信仰をもった人々を
偲びながら散策してみることに
しましょう。


身延山を巡るコ−ス webサイト

このマップを印刷して歩きました
「奥之院道」散策マップ  (身延山山頂)
10:10 丈六堂(十五丁) 釈尊像
道は舗装されていて緩やかな登りです。道端の丁石はぐんぐん数を稼いでいきます。
道なりに僧侶や信徒の墓石も多く続いていました。
本堂裏から歩くこと30分で、最初の見所丈六堂がありました。
徳川家康側室お萬の方が寄進した一丈六尺の釈尊像を安置しています。遠方からの信徒さん達が観光タクシ−を使って
ここまでお参りにきていました。 4月8日は花祭が行われるようです。
10:35 (二十五丁)大光坊 釈尊坐像 相輪塔
本堂裏から約1時間で 平地に出て(二十五丁)、ここが大光坊です。
大きな敷内には休憩室やお堂が二つと仏像や相輪塔が点在していました。
舗装道路はここまでで、これから上は山道になりましたが、道は広くなだらかで、車が通れる道でした。
11:00 三十三丁 11:25 お水屋(四十丁) 11:30  東照宮祠(四十一丁)
杉林の尾根道で、風がよく通り寒いくらいです。 水道の施設を左に見送ると、道は急傾斜になってきました。
お水屋(四十丁)は
日蓮聖人の喉の渇きを潤そうと、弟子の日朗上人が山頂よりこの地に下り、清水を汲んで聖人に給仕したと伝えられる所で
日朗上人井戸と、水屋堂(法明坊)があります。
それを過ぎると、屋根で覆われた東照宮祠がありました。 元和2年(1616)徳川家康が亡くなった時、
側室であったお萬の方が身延山に詣で、法会を営み、家康供養のための祠でした。
11:50 (四十九丁) 11:52 奥之院 思親閣
久遠寺本堂から2時間ちょっとで四十九丁まで登ってきました。もうこの上は奥之院です。
展望台からは富士川や富士山が見えました。
日蓮聖人が9年の永きにわたり法華経の読誦と門弟たちの教導に終始した身延山久遠寺。
その身延山の山頂(標高1153メートル)に、奥之院思親閣があります。
日蓮聖人は身延在山の9年の間、故郷のことを思い出されては、西谷のご草庵より50丁の道なき道を登られ、
遙かに房州小湊のご両親、師の道善房を追慕されました。
奥之院思親閣は思親大孝の霊場で、日々多くの参詣者が訪れています。

思親閣祖師堂        祖師堂に、さりげなく張られていたお言葉       富士川が見える
祖師堂にお参りして、賽銭箱のすぐ横に張られていた、心に染みたこのお言葉。
思親閣祖師堂は“親を思うお堂”という意味で名付けられていたのですね。ここで初めて知りました。
12:15  身延山山頂 北側の大展望
北側の展望台に回り込むと、 七面山や南アルプスの峰峰が見えました。
10年ほど前に、往復ロ−プ−ウェイでしか来たことがなかった身延山の山頂にやっと徒歩で登ることができて大満足です。
12:20 身延山      富士山が真正面に見える
ロ−プ−ウェイ乗り場近くの展望台からは富士山が真正面に見えました。ベンチに座って昼食タイム。
ロ−プ−ウェイを降りた観光客はこの場で富士山の雄姿に感激し、写真を撮っては立ち去ると、
次のロ−プ−ウェイからの乗客が入れ替わりにやってきていました。
12:35  裏参道で下山します              13:00  追分感井坊          
下山は七面山への道でもある裏参道を歩きます。 道は緩やかで、未舗装ながらこちらも車が走れる道でした。
雑木林もあり、日差しも降り注き、正面に七面山を見ながら、快適な道を下っていきました。
ほどなく追分感井坊がありました。
今はひっそりとしていますが、往時はこの広い休憩所で、多くの登詣客が休んだのでしょう。
ここが七面山道と奥之院道の分岐点で、標識に従って山門方向に下ります。

 

13:15 千本杉             14:00  松樹庵    松樹庵から久遠寺が遠望できます
追分から約15分、巨大な杉の木が多くなったと思ったら、ここが千本杉でした。 
平成20年に建立された身延山五重塔は、この杉を使用しているとのことです。
車が走れるほどの傾斜の道がずっと続いています。かなりトラバ−スしているのでけっこうな大回りの道です。
でも時々「松樹庵へ」と小さな標識がある山道が分岐していました。
最初は忠実に広い道を歩きましたが、山道を下ればショ−トカットできたようです。
途中からはショ−トカットして松樹庵まで下ってきました。
日蓮聖人が奥之院登詣の途中、松の木に袈裟を掛けたと伝えられる場所です。
松樹庵からは久遠寺や身延の町並みが遠望できました。まだまだあるなぁ〜。
14:25   妙石坊               高座石             
後はコンクリ−ト舗装や石段の道を下ると、妙石坊に出ました。裏参道も終盤です。
日蓮聖人が座られ、お弟子たちに教えを説いたといわれる高座石がありました。

妙石坊の石段を下ると舗装道路に出ました。左手に下り、トンネルをくぐると・・・
14:40  西谷地区の桜は満開
西谷地区に出ました。ここからは多くの花見客でにぎわっていました。
桜を愛でながら、ちょっと登り、いつも寄るお寺に向かいました。
14:50  西谷地区の桜
去年は震災の後で寂しい人出でしたが、いつも通りの賑わいになっていて、桜も満開です。
山門をくぐり、久遠寺の桜を見て表参道・裏参道を歩いて奥之院にお参りして約6時間・・・。帰り道では寄り道して西谷地区へ〜。 
このお寺でいつも振舞われる桜茶をいただき、今年の桜も見られたことに感謝しました。 また来年も来るからネ!

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